高齢者の介護で問題になることの一つが口腔衛生状態。
歯磨きに時間がかかる上に綺麗に磨けず、歯周病や口臭が悪化してしまうこともあります。
この記事では、電動歯ブラシを使うことで、高齢者の歯磨きがしやすくなり、時短にも繋がることを説明しています。
CONTENTS
1.高齢者の歯磨きには電動歯ブラシがおすすめ
高齢者の歯磨き、とくに介護を必要とする高齢者の方には電動歯ブラシがおすすめです。
理由は少ない力でも綺麗に磨けるので、力の弱い方でも磨きやすいですし、介護者が歯磨きをしてあげる場合にも楽だからです。
訪問歯科でも電動歯ブラシを使っている歯科医院は多く、電動歯ブラシメーカーのソニッケアーからも、
「電動歯ブラシの導入によって介護施設入居者の口腔衛生状態が改善した」
「介護職員の介護負担が減少する」などと報告されています。
口の中が不衛生だと誤嚥性肺炎のリスクが高まり、最悪の場合死に至ることもあります。
口の中が不衛生なことが要因になって亡くなることは避けたいですよね。
高齢者に電動歯ブラシを使うメリット
使いやすさや綺麗にできることはもちろん、誤嚥性肺炎のリスクを減らせるのも嬉しいポイントです。
2.介護者の方に!高齢者におすすめの電動歯ブラシ3選
介護者が使いやすい!高齢者におすすめの電動歯ブラシは
逆に高齢者におすすめできないものは
パナソニックドルツ Panasonic ドルツ EW-DL54-W
1万円台で購入できるベーシックなモデルです。
歯科医推奨の「ヨコ磨き」ができ、歯垢除去に役立ちます。
ドルツは替えブラシが1本100円台で購入できるので、かなり安いです。
メーカーによっては替えブラシが1本500円前後するものもありますので、替えブラシの値段はチェックしましょう。
1時間の充電で約2週間使用できますので、充電についてのストレスを感じることも少ないと思います。

オムロンメディクリーン HT-B307-W
他のメーカーに比べて安いのが魅力のオムロン。
縦・横方向の振動を組み合わせた「マルチアクション機能」により、歯が凸凹した部分も綺麗に磨けます。
こちらは3000円台で購入できます。
替えブラシも1本200円台から購入できますので、低価格ですね。
10時間の充電で約1週間使用できますので、値段のわりには高性能だと思います。
「電動歯ブラシの効果を試してみたい」という方でも気軽に購入できるリーズナブルさが魅力です。

ブラウン オーラルB スマート5000 D6015255XP
ブラウンのオーラルBは、丸型の回転式ブラシが特徴。
この特徴は、「歯が数本しか残っていない高齢者」に役立ちます。
普通の電動歯ブラシは歯の表面を磨いていくイメージですが、オーラルBのブラシは歯を包み込んでくれます。
そのため、隣の歯がない場合でも、1本1本を包み込みながら丁寧に磨けるのです。
替えブラシは1本500円前後と高めですが、残りの歯が少ない高齢者にはおすすめです。
充電も12時間で14日間使用できますので、丸一日の充電で1ヶ月間は使える計算になります。
こまめに充電しなくても良いので、楽です。

画像引用元:楽天
ブラウン オーラルB 電動歯ブラシ スマート 5000 D6015255XP | Braun Oral-B 公式ストア
18,480円 (税込)
3.高齢者への電動歯ブラシの使い方
どれくらいの強さで磨けばいいの?
電動歯ブラシは元々の力が強いので、軽く当てるイメージで十分です。
歯の表面に軽く当てて、自動の振動で汚れを落とします。
何分くらい磨けばいいの?
使用時間の目安は2分程度。
歯1本あたりに5秒くらい当てるイメージです。
手磨きの時のように時間をかけず、2分を目安に完了させましょう。
高齢者は、歯茎が弱っていたり、下がっていたりすることがほとんどです。
刺激の強い電動歯ブラシを歯茎に当てると、歯茎の状態が悪化してしまいますので、ブラシがきちんと歯に当たっているのか確認しながら使いましょう。
電動歯ブラシ以外のおすすめ口腔ケアアイテム
うがいが難しい、誤嚥が多い、
食べかすが口の中に残りやすい、という高齢者におすすめのアイテムです。
水やマウスウォッシュをスポンジに染み込ませ、歯ブラシのように口腔内に入れて使用します。

口臭が気になる方にはマウスウォッシュもおすすめです。
電動歯ブラシはジェル状の歯磨き粉を使うことが多く、ミント系のスッキリ感が足りなく感じることがあります。
マウスウォッシュを使ってスッキリ感を出し、口臭を予防するのもおすすめです。
ただし、うがいの難しい方がマウスウォッシュを使うと誤嚥する可能性があります。
うがいができるか見極めた上で使いましょう。

4.高齢者へ電動歯ブラシを使う時の注意点
高齢者へ電動歯ブラシを使う時には次のことに気をつけましょう。
高齢者の口内の状態や日常生活動作レベルを考慮して、お互いに負担のない歯磨きを心がけましょう。
5.80歳で20本の歯を!「8020運動」
日本歯科医師会では1989年から「8020運動」が提唱されています。
この運動は、80歳で20本以上の歯を残せるようにオーラルケアを頑張りましょう、という運動です。
以前と変わらない食事がとれる高齢者と柔らかいものしか食べられない高齢者とでは、クオリティオブライフに大きな差が出てきます。
また、口腔内の状態と誤嚥性肺炎には大きな関連性があり、介護施設でも「口腔内の衛生状態」は非常に大事です。
実際に歯科衛生士を雇う介護施設が増えたり、ケアに電動歯ブラシを導入したり、口腔ケアに力を入れる施設は増えています。
徹底した口腔ケアへの取り組みによって入院患者が1/5に減ったという報告もされています。
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電動歯ブラシ、特別養護老人ホームでも活躍
(引用元:yomi Dr.より)
6.まとめ
電動歯ブラシは、高齢者や介護者の歯磨きの負担を減らしてくれる、便利なアイテムです。
お口のトラブルや誤嚥性肺炎を防止するためにも、電動歯ブラシを導入してみてはいかがでしょうか。
ぜひ、まだ手磨きの方や買い替えで電動歯ブラシの良さを体感してみてくださいね(^^)