「海外の歯磨き粉は日本の歯磨き粉よりもホワイトニング効果が高い!」
なんて話を聞いたことがありますか?
歯磨き粉マニアの中では海外製品のものを使っているという人も多いです。
では一体海外と日本の歯磨き粉は何が違うのでしょうか?また、海外の歯磨き粉は安全なのでしょうか?
今回は元歯科衛生士で歯磨き粉マニアの筆者が「海外と日本の歯磨き粉の違い」や「海外の歯磨き粉の効果」 について詳しくお話していきます!
CONTENTS
● 無カタラーゼ症
● 知覚過敏の方
● Crest(クレスト)
● Colgate(コルゲート)
● MARVIS(マービス)
● SENSODYNE(センソダイン)
● ARM & HAMMER(アーム・アンド・ハンマー)
6まとめ
1.海外の歯磨き粉と日本の歯磨き粉の違い
海外と日本で売られている歯磨き粉の大きな違いについてお話していきます。
国によって多少の違いはありますが、ここでは主に欧米の歯磨き粉と比較しています。
1ホワイトニング効果
海外と日本の歯磨き粉の大きな違いと言えばホワイトニング効果です。
海外のホワイトニング用歯磨き粉には「酸化水素」や「過酸化尿素」といった成分が配合されています。
これらの成分は研磨剤と違い、表面の汚れを落とすだけでなく、歯についた色素を分解して漂白する非常に強いホワイトニング作用があります。
日本では医薬法で販売が禁止されており、歯科医院でのホワイトニングのみでしか使用を認められていません。
日本のホワイトニング歯磨き粉は研磨剤により表面の着色汚れをこすって落とすことがメインです。
しかし、海外のホワイトニング歯磨き粉は研磨剤では落とせない頑固な着色汚れを分解し、さらに歯を白くする効果があると言えます。
・日本のホワイトニング歯磨き粉→研磨作用で着色をこすり落とす
・海外のホワイトニング歯磨き粉→研磨作用+漂白作用で着色を分解して落とす
1フッ素濃度
フッ素は虫歯を予防するために有効な成分で、濃度が高くなれば高くなるほど虫歯の予防効果が高くなります。
欧米では1000ppm~1500ppmくらいの濃度が当たり前に含まれており、虫歯予防の効果が高く歯のエナメル質を強くする歯磨き粉が多いです。
以前日本の歯磨き粉に含まれるフッ素の濃度は高くても1000ppm以上でしたが、平成29年3月に日本でも規定の範囲を超え1500ppmを上限とする高濃度フッ化物を配合した薬用歯みがきが厚生労働省に承認されました。
最近ではフッ素が高濃度に配合された歯磨き粉を日本でも買えるようになっていますが、まだまだ海外の歯磨き粉の方がフッ素が高配合のものが多いです。
2.どうして海外の人は歯が白いの??
ホワイトニングケアに気を使っている人なら「海外の人ってどうしてあんなに歯が真っ白できれいなの!?」と、感じたこともあるはず。
その理由は、海外の人は日本人よりもオーラルケアを徹底して、日頃からホワイトニングケアを怠っていないから!
定期的に歯科医院でクリーニングをしてもらい、お家ではホワイトニング歯磨き粉やホワイトニングシールで歯の黄ばみを予防するケアをしています。
きれいに整った歯並びと白い歯は海外の人たちにとって当たり前のことなのです。
また、私たち日本人と欧米人の歯の性質が異なるということも原因になっています。
日本人の歯の方がエナメル質が薄くて弱く、欧米人の方がエナメル質が厚くしっかりとした作りになっています。
エナメル質の下には象牙質といった層がありますが、この層は若干黄ばんだ色をしているので、エナメル質が薄い私たち日本人の歯は象牙質が透けて見えやすいために黄ばんだ歯に見えてしまうこともあります。
歯の性質もあり、なかなか海外の人のような真っ白な歯は難しいかもしれませんが、普段のホワイトニングケアでもきれいな白い歯を保つことはできます!そこで一番簡単なのがホワイトニング効果がある歯磨きを使うことなのです。
3.海外のホワイトニング効果が高い歯磨き粉は危険?
海外で売られている歯磨き粉の成分は日本と大きく変わらないため、基本的には安全と言えるでしょう。
ただ配合されている成分の濃度が日本よりも高い商品も多く、人によっては口の粘膜がただれてしまうなどのトラブルが起きることもあります。
特に海外のホワイトニング歯磨き粉には、日本で配合が禁止されている「過酸化水素」という成分が含まれていることがあります。
この過酸化水素には歯を漂白して白くする効果がありますが、粘膜や血液と反応した際に熱を生み出すため口の粘膜を刺激してしまうといった副作用もあります。
歯磨き粉はどうしても歯茎や口の粘膜に触れてしまうため、痛みや炎症などのトラブルを起こしやすくなります。
唇や口の粘膜が荒れやすい方は、海外の歯磨き粉が合わない可能性があるので注意しましょう。
特に注意してほしい人
「無カタラーゼ症」と「知覚過敏の人」は海外の歯磨き粉を使うと重大な健康被害を及ぼす恐れがあるため、使用を避けてください。
1無カタラーゼ症
無カタラーゼ症とは、薬剤に含まれる「過酸化水素」などの成分を分解する酵素を持っていない為、体内に入った薬剤を分解できなくなり体調に悪影響を及ぼしてしまう症状です。
自分が無カタラーゼ症と気づいていない方が多く、過酸化水素が配合されている歯磨き粉を使用すると口腔内が壊死してしまうなど重篤な事態になってしまうこともあります。
少しでも無力カタラーゼ症の心配がある人は絶対に使用しないようにしましょう
2知覚過敏の人
知覚過敏で歯が染みやすい方は、歯磨き粉に含まれている過酸化水素などの成分が歯に浸透しさらに痛みやしみを感じやすくなることがあります。
刺激の強いものは避け、知覚過敏用の歯磨き粉を使うようにしましょう。
4.海外のおすすめの歯磨き粉
海外の歯磨き粉の中でも特に人気があり、ホワイトニング効果や虫歯予防効果が高いものを紹介します。
1
Crest(クレスト) 歯磨き粉グラマラスホワイト
アメリカで一番人気のホワイトニング歯磨き粉「クレスト」
グラマラスホワイトは3日間で最大95%の表面の汚れを除去できるホワイトニング効果があるとしてクレストの商品の中でも人気の歯磨き粉。
身体に優しいとされているシリカが研磨剤として配合されており、歯を傷つけることなく歯の表面に着いている着色汚れを落としてくれます。
フッ素も配合されているため虫歯予防や歯のエナメル質を守る役目もあります。

筆者も海外に行った時にはクレストの歯磨き粉を買って帰るのですが、着色汚れが付きにくく歯を白くしてくれるのでおすすめ!
歯の黄ばみ予防に長年使っていますが、長い間ホワイトニングしなくても白い歯が保てているのはこの歯磨き粉のおかげかもしれません。
ただ、海外の商品なので少々刺激が強く唇が荒れてしまう方もいるかもしれません。少量から試してみてください。
2Colgate(コルゲート)オプティックホワイト
こちらもクレストと並んで世界中で人気の歯磨き粉「コルゲート」。
このオプティックホワイトは歯を傷つける研磨剤が含まれていないので、知覚過敏になりやすい方におすすめです。
フッ素が配合されているので歯のエナメルを強化して虫歯を予防。
さらにはホワイトニング効果のある「過酸化水素」が配合されているため、歯の黄ばみを落とし自然な白さへと変えてくれます。
ただ、過酸化水素は日本で歯磨き粉に配合するのが禁止されている成分なので、肌が弱い方や口が荒れやすい方は使用に十分注意して下さい。

こちらもホワイトニング効果が高いと評判の歯磨き粉。
筆者も使ったことがあるのですが、クレストの歯磨き粉よりもさらに刺激が強い感じがしたので、週に1度のペースで使っていました。
唇が弱い人は合わないかもしれません…

コルゲートのホワイト歯磨き粉、ザラザラした舌触りです
3MARVIS(マービス)ホワイトミント
イタリアのフィレンツェ発の歯磨き粉「マービス」。
スタイリッシュな見た目でお土産としても人気の歯磨き粉です。様々なフレーバーが出ており、その中でもミント味は磨いた後にスカッとする爽快さが残るのでおすすめ。
水酸化アルミニウムやシリカなどの研磨剤が多く配合されているため、着色汚れや歯垢をすっきりと落としてくれます。
ただ、知覚過敏になりやすい人は柔らかめの歯ブラシで使うようにしましょう。

イタリア旅行のお土産としても人気の歯磨き粉。
最近では日本でも買えるようになって、若い人からも人気に!洗面所に置くだけでおしゃれな雰囲気を出してくれる歯磨き粉。
ただ研磨剤が多めなので、柔らかめの歯ブラシと一緒に使うようにしましょう!
4SENSODYNE(センソダイン)ホワイトニング リペアー&プロテクト
欧米の歯科医院が推奨する知覚過敏予防に効果のある歯磨き粉のセンソダイン。
有効成分に硝酸カリウムとフッ化ナトリウム(フッ素)が配合されており、硝酸カリウムには知覚過敏を改善する効果があります。
日本のシュミテクトに似た歯磨き粉ですが、フッ素がさらに高濃度で配合されているので虫歯予防にもおすすめ。
歯が染みやすい、虫歯になりやすいという方にぴったりの歯磨き粉です!

5ARM & HAMMER(アーム・アンド・ハンマー)
Extreme White
アメリカで重曹や洗剤などのお掃除グッズが有名な「アーム&ハンマー」から販売されている歯磨き粉。
有効成分にフッ素が含まれており、その他にも重曹が配合されているため歯の表面に着き黄ばみの原因になるたんぱく質を除去しながら自然な白さへと変えてくれます。

5.海外の歯磨き粉を使う際の注意点
海外の歯磨き粉は日本で認可されていない成分が使われていることもあるので、トラブルが起きたとしても自己責任になります。
特に皮膚が弱い人、唇が荒れやすい人はホワイトニング効果の高い歯磨き粉を使うことによってお口の粘膜が荒れてしまいやすくなるので注意が必要です。
初めて使う場合には、ごく少量を出して歯茎につけて数分置いてみる、狭い範囲の歯を磨いて様子をみるなどのパッチテストを行なってください。
また、ホワイトニング歯磨き粉で長時間歯を磨くこともしないようにしましょう。
ちなみに筆者の弟に海外のホワイトニング歯磨きをお土産であげた時、最初からたっぷりの歯磨きをつけて長時間歯を磨いた後に唇が荒れてしまったことがあります(笑)十分に注意してください!
もし、ホワイトニング歯磨き粉が合わない場合は無理して使うのは避け普通の歯磨き粉に戻してください。
6.まとめ

オーガニックのジェル歯磨き粉と海外のホワイトニング歯磨き粉
海外の歯磨き粉は日本では許可されていないホワイトニング成分やフッ素の濃度が含まれているため、歯を白くする効果や虫歯を予防する効果が高いです。
しかし、含まれている成分は刺激の強いものなので、人によってはお口が荒れてしまう、体調を崩すなどのリスクがあるようです。「海外の歯磨き粉を使ってみたい!」という方は、そのリスクを理解し、まずは少量から使うようにしましょう。
筆者は、普段は電動歯ブラシ+オーガニックのジェルタイプ歯磨きをメインに、着色が気になる時は手磨き用の歯ブラシで海外のホワイトニング歯磨き粉を使用しています。
上手く使い分けるのがおすすめです!
通常の日本の歯みがき粉を使いながら、たまに海外の効果が高い歯みがき粉を使うなど使い分けもおすすめです。
ぜひ、まだ手磨きの方や買い替えで電動歯ブラシの良さを体感してみてくださいね(^^)